意思決定インテリジェンスの迅速化、サプライチェーンデータの一元化、業務効率の向上、サプライチェーンの強靭性強化に最適な方法を模索するサプライチェーン実務担当者は、サプライチェーン・データゲートウェイの恩恵を受けることができます。 データゲートウェイは、基幹システム、サプライチェーンのアプリケーション、データフィード、データウェアハウス、データレイク、データマート、取引先など、様々なソースからのサプライチェーンデータへの統合アクセスを提供します。企業がサプライチェーンの課題に正面から取り組み、サプライチェーンの混乱に備えることができるよう支援しまします。

サプライチェーン・データゲートウェイがサプライチェーン全体のパフォーマンスを向上させる10の方法をご紹介します
1. 非効率性を特定し、より正確な情報に基づいた意思決定を可能にする
データを一元的に把握することで、情報に基づく意思決定が加速し、サプライチェーンを包括的に理解できます。 例えばデータゲートウェイを利用することで、サプライプランナーは、顧客からの注文、在庫レベル、輸送スケジュールへのアクセスにより、非効率を特定し、より正確な情報に基づいた意思決定を行うことができます。

2. 実装時間の短縮
企業やサプライチェーン・ソフトウェアプロバイダーは、アプリケーションの実装時間を短縮するために努力しています。 データゲートウェイは、さまざまなサプライチェーンソフトウェアアプリケーションのフロントエンドとして機能し、データの取り込み、統合、ステージングプロセスを迅速化・簡素化します。 従ってアプリケーションの実装時間が大幅に短縮され、運用コストが削減され、価値実現までの時間が短縮されます。
3. 適切なユーザーに適切なデータを提供
適切なタイミングで、適切な形式で、適切なユーザーやアプリケーションに、適切なサプライチェーンデータを提供することが容易になり、ITリソースへの依存を減らすことができます。 ローコードとセルフサービス・アクセスによって実現し、サイロ化されていたサプライチェーンデータを、ビジネスユーザーやデータスチュワードが、迅速に、かつ少ない経費でアクセスできるようになり、開発者への依存をなくすことができます。 適切なデータを適切なユーザーが使用することで、強靭なサプライチェーンを構築することができます。
4. 成長をもたらす
組織の長期的な成長と妥当性は、変化するビジネスニーズとデータ要件に適応できるかどうかにかかっています。 組織が成長し、データ需要が増大しても、サプライチェーン・データゲートウェイのパフォーマンスが低下することはありません。 その代わりに、非常に大量のユーザー、データ、リクエストを扱う場合でも、高レベルのパフォーマンスが期待されます。
5. データ操作の自動化
サプライチェーンのプロセスとデータ運用を管理するには、多くの人的資本と運用コストが必要です。 サプライチェーン向けデータゲートウェイがあれば、データオペレーションを自動化し、手作業を減らし、全体の効率を向上させることができます。 自動化されたデータ処理、変換、管理タスクが含まれ、データ運用の合理化、エラーの削減、運用コストの削減に役立ちます。
6. 幅広いデータソースと接続できる柔軟性
幅広いサプライチェーンデータソースやアプリケーションとの接続を必要とする組織にとって、柔軟性は極めて重要です。 データゲートウェイがあれば、オープンなデータアクセスを柔軟にサポートし、他のシステムやアプリケーションとのシームレスな統合を可能にします。 ESGやSNEW(ソーシャル、ニュース、イベント、天候)データなど、必要に応じて新しいデータソースに簡単に接続する必要があります。
データゲートウェイは、拡張可能な標準サプライチェーンデータモデルによってサプライチェーンデータの統一と交換を柔軟にサポートし、一貫性のある構造化された方法でデータが保存・管理できるようにし、統合と拡張を容易にします。 またBI、レポーティング、サプライチェーンアプリケーション等の下流のアプリケーションに、アプリケーションが望む形式で、必要とされる適切なタイミングで、適切なデータセットを供給します。
7. サプライチェーンの可視性と効率の向上
ボトルネックの特定、在庫レベルの最適化、全体的な効率の改善は、すべてのサプライチェーンマネージャーの目標です。 この目標を達成するには、サプライチェーン全体を可視化する必要があります。 可視性つまりグローバル・サプライチェーン全体にわたるデータの包括的なビューは、データ・ゲートウェイによって、より迅速かつ容易になります。 例えば、製造会社は、サプライヤー、生産ライン、配送センターからのデータをリアルタイムで監視することができます。 こうしうしたサプライチェーンデータを分析することで、企業は改善点を特定し、業務効率を改善するための変更を実行できます。

8. 意思決定と戦略立案の迅速化
タイムリーで正確かつ一貫性のあるサプライチェーンデータにアクセスして分析する能力は、効果的な意思決定と戦略立案に不可欠です。 データゲートウェイは、グローバルサプライチェーンからのデータに基づき、迅速で十分な情報に基づいた意思決定のためのリアルタイムデータをユーザーに提供します。 これにより企業は混乱や例外に迅速に対応し、競争優位のために可能な限り情報に基づいた意思決定を行うことができます。 これは顧客の需要に対応するための、需要管理や予測に応用できます。
9. 高いセキュリティと信頼性を確保
クラウドベースのアプローチでは、社内のIT管理業務を減らすことで、企業は中核の事業活動に集中することができます。 完全に管理され、主要なクラウドプロバイダーでホスティングされるデータゲートウェイにより、組織は高いセキュリティと信頼性を保証され、データの活用に集中することができます。
10. サステナビリティ、レポート、環境コンプライアンスの促進
ESG(環境・社会・ガバナンス)報告とコンプライアンスは、持続可能なサプライチェーンにとって、ますます重要になっています。 しかし多くの組織は、こうした新しい情報ソースからデータを収集し、つなげるのことに苦労しています。 データゲートウェイは、正確で信頼性の高いESGレポートを作成するために不可欠な、サプライチェーンデータの統一・調和されたビューを提供します。 IoTデバイスやサードパーティシステムなど、様々なソースからのデータを統合することで、組織は環境への影響を効果的に監視・管理できます。 製造業では、企業は二酸化炭素排出量、水の使用量、廃棄物発生量を追跡して報告し、環境フットプリントを削減することができます。 最終的には、持続可能なサプライチェーンの実現につながります。
サプライチェーン・マネジメントのデータゲートウェイは、ほぼ全ての業界に利益をもたらします
サプライチェーンマネージャーや実務者、データアナリスト、スチュワード、エンジニア、様々な業界のサプライチェーン専門家にとって、ライブデータや履歴データに素早く簡単にアクセスすることは非常に重要です。 サプライチェーンデータゲートウェイの恩恵を受けられる業界の例をいくつかご紹介します:
日用消費財(FMCGとCPG)
FMCGやCPG では、目まぐるしく変化する市場において、データ主導の迅速な意思決定を行う能力が競争力を維持するためには極めて重要です。 企業は、統一され調和されたデータビューを提供するデータゲートウェイを使用することで、サプライチェーンオペレーションを最適化できます。 例えば、ロジスティクス・マネージャーは、在庫レベル、顧客からの注文、輸送スケジュールに関するリアルタイムデータをモニターすることで、より良い情報に基づいた意思決定を行い、リードタイムとコストを削減すると同時に、顧客満足度を向上させることができます。
医療、介護
ヘルスケア においては、データゲートウェイがデータソース間の結合組織を提供することで、可視性と在庫の最適化を改善できます。 これにより、統一され調和されたデータの、リアルタイムでの高度な分析が可能になり、医療と供給が最適化され、手術のキャンセル等が制限されます。
サードパーティロジスティクス(3PL)
3PL においてデータゲートウェイは、データの統一され調和されたビューを提供することにより、意思決定を大幅に強化することができます。 様々なソースからのデータを統合することで、ロジスティクス・マネージャーは、いつ、どのように注文を満たすかについて、より多くの情報に基づいた決定を行うことができます。 さらにデータ・ゲートウェイのリアルタイムのデータアクセスと分析機能は、輸送の遅延や在庫不足など、問題が発生した場合の特定と対処に役立ちます。
アプリケーション/ソリューション・プロバイダー
アプリケーション・プロバイダやソリューション・プロバイダは、データゲートウェイの活用で、顧客の導入時間を短縮し、運用コストを削減することができます。 ローコードでセルフサービスのデータゲートウェイ・フロントエンドを提供することで、ソフトウェアプロバイダーは収益までの時間を短縮し、顧客満足度を向上させることができます。
卸売・流通
卸売流通業では、データゲートウェイは在庫レベルの最適化とサプライチェーンの可視性の向上に役立ちます。 統一され調和されたデータビューを提供することで、配送業者は、サプライヤーとの関係から顧客の需要に至るまで、自社の業務を包括的に理解することができます。 これは非効率の原因を特定し、業務と顧客満足度を向上させるための変更を実施するのに役立ちます
自動車
自動車メーカーは、数え切れないほどの課題に直面していますが、サプライヤーの混乱が予想される場合に、部品の入手可能性を確認するためのデータへのアクセスを確保することは、最重要課題のひとつです。 データゲートウェイを利用することで、サプライヤー全体を可視化し、強靭で迅速かつインテリジェントなサプライチェーンを推進するための処方的コントロールタワーを通じて、実用的な洞察のための正確なデータを提供できます。
製造業
スマート工場 はITとOT(オペレーショナル・テクノロジー)の統合に依存しています。 データゲートウェイがあれば、OTシステムからのデータや現場からのリアルタイム信号を企業のITや分析システムと簡単に組み合わせることができ、製造業者は品質と効率の向上、イベントへの迅速な対応、問題の発生前の予測と回避が可能になります。
政府・公共機関
政府機関 は多角的な視点でサプライチェーンに関与しています。 食品、医薬品、公共安全、輸送、資材、その他の分やを監視し、リアルタイムの可視化と意思決定支援を行っています。 何千ものサプライヤーと取引し、効率化推進のためにリアルタイムの洞察を必要としている政府機関にサプライチェーン・ロジスティクスを提供しています。 また複数部門にわたって資産やインフラを追跡し、維持する必要がある機関のメンテナンス、修理、運用(MRO)をサポートしています。 リアルタイムで統一されたデータにアクセスすることで、こうしたプロセスがより効率的になり、コンプライアンスも向上します。
最後に
一つのソリューションで上記のすべてを実現するのは不可能と思われるでしょうが、そんなことはありません。
InterSystems® Data Fabric Studio™サプライチェーンモジュールは、サプライチェーン全体のデータにアクセスするための、これまでにない新しいアプローチを提供します。 当社のデータゲートウェイは、異種データの統合、調和、正規化をより迅速かつシンプルに行い、適切なタイミングで、適切な形式で、適切なユーザーやアプリケーションにデータを提供することで、価値実現までの時間を短縮します。
詳細については、
InterSystems.com/DataGateway をご覧ください。
この記事は、 Logistics Viewpoints に掲載されたものです。