医療における深刻な課題
医療DXの推進が叫ばれていますが、その背景には以下のような医療現場がかかえる深刻な課題があります。
・医療従事者の人手不足と長時間労働、働き方改革
少子高齢化、いわゆる団塊の世代が75歳以上のとなり、国民の5人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」さらにそれがピークを迎える「2040年問題」は、医療従事者の慢性的な人手不足と長時間労働を深刻化しています。医師不足による負担増と医療の質・安全の確保、持続可能な医療提供体制の維持を目指し、2024年4月に医師の働き方改革が始まった。
・超高齢社会と医療費
先の「2025年問題」「2024年問題」に象徴されるように、高齢者人口が増加し超高齢化社会の日本において、その医療費の急激な増大の一途をたどります。その原因の大きな部分は高齢者の増加で、医療費を抑えた診療制度や高齢者の健康寿命の増進が、重要な取り組むべきことになっています。
・災害と感染症対策
日本は地震をはじめとする自然災害が多く、昨今の「コロナ感染症」によるパンデミックは、デジタル化の遅れによる対応の遅れや、日本の医療体制の在り方に大きな課題と教訓を残しました。
・医療機関の経営問題
病院の経営の問題は深刻です。医業利益における赤字病院の割合は、2021年度65.8%から2022年度には72.8%に増加しています。物価高による経費や設備費の増大、人件費の増大、医療報酬改正による報酬の厳格化や縮小化、患者減少が主な原因ですが、IT活用、デジタル化による効率化、コスト削減、サービスの向上による患者の維持・増加を図ることが求められています。
医療DXとは
医療DXとは、医療分野におけるデジタル技術を活用して、社会や生活を変革することで、政府は、医療現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、以下のように定義し「医療DX推進本部」を設置し、医療DXの施策に取り組んでいます。
医療 DX とは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータに関し、全体最適された基盤を構築し、活用することを通じて、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えていくこと
その目指すところは「国民の更なる健康増進」「切れ目なく質の高い医療等の提供」「医療機関等の業務効率化」「人材の有効活用」「医療情報利活用の環境整備」として、具体的な施策として、以下を挙げています。
- 全国医療情報プラットフォーム
- 電子カルテ情報の標準化等
- 診療報酬改定
DX改革で、もっとも重要なものは
<データ>
すべての医療・健康データへアクセスし利用・活用・分析することで医療を変革させる
医療・健康情報は、単一の組織の中にだけあるものではない。1人の患者のデータは複数の病院等の医療機関、調剤薬局、介護施設、行政など、関係する多くの組織の中に存在する。院内・グループ医療機関での単独運用においても、また、地域医療連携体制下においてもこうしたデータをすべて参照できることで、その患者に適した治療を決定でき、不要な検査を省くことができ、医療現場の効率化と医療の質、医療の安全が促進されます。
継続した適切な医療提供には、複数の関連施設・組織が連携して関わる必要がありますが、組織内および組織外には、電子カルテをはじめ多くの異なるシステム・医療機器が存在し、そのシームレスな統合・連携が必要です。しかし、多くの場合はそれらが分断されており、これが二重入力や重複検査、また医療従事者の負担増や、非効率なワークフローの原因となり、医療の安全や患者サービス・カスタマエクスペリエンスの悪化を引き起こしています。さらに、データが利用できないことで、正確な経営分析や、臨床研究なども困難になっています。
すべての医療・健康データにアクセス・利用できないことで、以下のようなさまざまな課題が生じます。
- 患者の医療・健康に関する情報の欠如により、最適な治療・診断や処方が行えない
- 医療従事者への労力負担が増大
- 不要な検査や処置が行われる
- 臨床研究に必要なデータが入手できず、研究が進まない
- 適正な経営分析が難しい
- 医療情報を共有できない
- 医療事務業務を効率化できない
DXの推進:
すべてのデータを活用する鍵は連携と利用・分析のための
医療データプラットフォーム
それらすべてを横断して利用するには、データ連携と活用・分析のために特化した
医療連携プラットフォームを活用するアプローチが最もシンプルでスピーディな方法です。
医療向けの連携プラットフォームは、以下のような要件を満たす必要があります。
あらゆるデータにアクセス可能にすることで実現できるデジタル変革によって、
以下のことが可能になります。
- 業務効率化とワークフロー改善
- 医療従事者の負担を軽減
- 医療安全、医療の質、患者サービスの向上
- AI、機械学習により臨床現場をサポート
- 高度な経営分析による経営指標の改善
- 病院の経営環境の変化とニーズへの迅速な対応
- 将来にわたるシステム連携コストの低減
- 地域拠点の病院や地域完結型医療連携・医療データの利活用が可能
- 病院完結型医療から地域完結型医療制度への移行が可能
医療DX推進の課題を、
ぜひお聞かせください。
お役立ち資料
医療DX事例紹介
InterSystems IRIS for Health
導入企業様
インターシステムズジャパン株式会社
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