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2020年に学んだこと、金融サービスの教訓: その2

継続したデータサービスジャーニー

2020年には多くの課題がありましたが、金融機関もまた、データ管理やデータサービスへのアプローチを発展させるために多くの進展を遂げました。大手金融サービス企業3社は、インターシステムズの年次カンファレンス InterSystems Virtual Summitで、過去12カ月間の経験を共有しました。クレディ・スイス、ブロードリッジ・ファイナンシャル・ソリューションズ、ブラジル銀行(BBTS)のそれぞれの講演者から、各社がどのようにして新しい機能やサービスを提供するためにエンタープライズ・データ基盤を構築してきたかといった経験をお話しいただきました。

ブロードリッジ社は Data As A Service戦略を採用し、既存のすべての機能とサービスに適用して、顧客に独自の分析と洞察を提供しています。この取り組みの焦点は、企業データ・ファブリックの上にデータ・クレンジングとデータ・ガバナンスの側面を包含する多層的なアプローチにより、データの品質とアクセス性を向上させることにあります。同社はインターシステムズと協力して、データをそれがある場所にとどめ、さまざまなデータ・ストアの上にある一貫したメタデータ・レイヤーを介して、データのすべての項目について追跡できるようにしてきました。同社は、基礎となるデータを正規化する一貫したデータ統合レイヤー、動的なクエリとデータ分析を可能にする機械学習機能、さまざまな目的のためにデータとサービスを展開するためのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)管理機能を備えています。

ウォール街の巨大企業クレディ・スイスは、フロントオフィスのビジネス能力の変革を目指して、独自のスマート・エンタープライズ・データ・ファブリックを構築しました。クレディ・スイスは、静的なアルゴリズムから、分散型で適応性があり、2020年を通じて経験されるような市場のボラティリティに対応できるものへと移行することができました。正規化されたデータセットと機械学習モデルを使用してアルゴリズムのパフォーマンスを分析し、市場のアルファ・シグナルを活用する能力を高めています。

この銀行はまた、そのデータをプライムブローカー領域でも活用し、在庫の使用を最適化できるようにしています。プライムブローカーは長い間、資本コストの上昇に直面しており、可能な限りコスト効率を高めることがますます重要になっています。クレディ・スイスはこの点を考慮して、機械学習技術を用いて資本効率に関連する機会を分析しています。

ブラジルのBBTSは、中央銀行が主導し、今後12ヶ月間で段階的に展開している現地市場でのオープンバンキングの導入に対応すべく、独自のデータ機能を構築しました。中央銀行は、現地市場での競争を促進し、現在国内に銀行口座を持たない4000万人以上の人々を取り込むことを促進したいと考えています。ブラジル銀行の子会社は、2021年5月に発効予定の新しい国内データ保護規制にも対応しています。この規制に違反した場合には制裁措置と金銭的な罰則が課せられます。

これら2つのブラジル市場の発展の中で、データ統合と許可されたアクセシビリティに焦点を当てることで、BBTSは現地市場の700社以上のフィンテックとの統合のためのハブを開発することを余儀なくされました。BBTSは、これらの市場参加者とのポイント・ツー・ポイントの脆弱な接続を開発するのではなく、プロバイダや金融市場参加者がデータの消費者または供給者として行動できるようにAPIアクセスを提供しています。

BBTS はまた、不審な出来事や活動の監視とそれを可能にするために、銀行の 9 万台の支店監視カメラや 50 万台の異なるアラームやセンサーを横断するデータ・ファブリックの開発など、データ分析の分野への投資にも注力しています。同社は、ブラジルの全拠点でセキュリティリスクの新たなポイントを予測するために、機械学習モデルを開発しています。すべての異なるデバイスからのデータを集約して分析することで、銀行の敷地内の物理的なセキュリティを向上させています。

データのよりスマートな利用は2020年を通して業界のテーマであり、今後もしばらくの間、業界のマインドを支配し続けることになるでしょう。金融サービス企業には、組織全体からデータを収集して調和させ、アナリティクス、機械学習、APIを活用して実用的な情報をビジネスや顧客に活用できるようにする、堅牢なデータインフラストラクチャへの投資から恩恵を受ける機会がたくさんあります。

パネルディスカッション(アーカイブ)から、これらの企業の声を直接聞くことができます。
このブログの「その1」の投稿は、 こちらをご覧ください。

 

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ヴァージニー・オシア
創設者
ファイヤーブランドリサーチ

資本市場のフィンテック調査のスペシャリストで、20年の経験を持ち、特に規制の策定、データ、標準化に注力し、金融テクノロジーの発展を追跡してきました。デジタル時代の資本市場テクノロジーとオペレーションの洞察を提供することに焦点を当てた新しい調査・アドバイザリー会社、Firebrand Researchの創設者でもあります。
 

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