先日、ITメディア エグゼクティブ主催の 「第17回ITmedia Executive Power Breakfast -テクノロジーでビジネスはここまで変わる!トライアルのリテール変革に学ぶ『データ駆動型ビジネス』の可能性とインパクト」と題したエグゼクティブ向けのラウンドテーブル朝食会が都内ホテルのレストランにて行われ、インターシステムズは協賛企業としてこれに参加しました。
このラウンドテーブルは、主に国内・外で先進的なお取り組みをされている企業のIT部門やIT戦略部門のエグゼクティブの方に、自社が保有するデータを更にビジネスに活用したい、また最新のテクノロジーを活用して課題を解決し、業務改善、ビジネスの革新につなげたい、などを目的に参加いただきました。
各社の自己紹介の後、最初に、株式会社トライアルホールディングス(以下トライアル)のグループCIOである西川晋二様より、同社のデータ活用とデジタルトランスフォーメーションへのお取り組みについてプレゼンテーションをいただきました。
トライアル様は、福岡を中心に、米国のウォルマート型のディスカウントストア(日本型スーパーセンター)を、全国211店舗で展開されています。元々はソフトウェア開発会社として創業され、流通業向けのITシステムをご開発されていました。 ITの技術力を生かして 「ITで流通業を変える」ことを目指して店舗展開され、先進的なお取り組みをされていることでよく知られています。
トライアル様のデジタルトランスフォーメーションに向けた革新的なお取り組みは、大きく分けて3つあります。
データ活用
膨大な顧客データを蓄積し、様々な角度から分析して、その結果を自社の営業戦略に活かされています。分析は社内のデータの他、外部のデータも組み合わせて行うこともあり、分析結果は自社内だけでなく、必要に応じて、取引先などの社内外で共有して、ビジネスに活かされています。
膨大なデータから知見を得ようとすることは様々な企業も取り組んでいることですが、重要な事は、膨大なデータを、素早く、様々な切り口でリアルタイムに分析でき、それを即座にアクションに繋げることにあります。分析をして何を行いたいかという目的を明確にすることが、非常に重要で、トライアル様は、高い技術力・優れた人材で、これを実現されている数少ない成功企業です。
西川様は今後の取り組みとして、次のように述べています。「データを活用する上で、膨大なデータを分析して結果を出せるだけでは不十分で、自動的に問題を発見したり、改善案を提示できる仕組みや機能がこれからは必要だと考えています。」また「これからは人が様々なインサイトを分析して答えを探すのではなく、ITを活用して自動探索させていく時代」と述べられていたのが印象的でした。
リアルタイム分析による新しい顧客体験の提供
今後の小売業では、より個別化されたお客様との接点を持つことが重要と考え、お客様との新しいコミュニケーション手段(リテールメディア)の開発にも取り組まれています。それを支えるのが、顧客データのリアルタイム分析です。分析結果から、より詳細なセグメントとターゲティングを行い、さらにIoTなどの最新テクノロジーを活用して、個別化された、新しく楽しい顧客体験の提供に注力されています。
AIへの取組み
今後は、顧客の購買行動分析など、AIを活用してさらに個別化したサービスの提供に取り組まれているところ、とのお話がありました。
西川様のお話の後でディスカッションが行われましたが、参加者様からは、以下のような課題や意見が出ました。
- 分析することが目的になってしまっている
- 現在は、顧客の行動が終了した後で分析を行っている。リアルタイムにデータを分析し、より踏み込んだ詳細な顧客分析を行うと共に、リアルタイムに顧客に反応したい
- データが蓄積されても、データマイニングや分析ができる人材の確保が難しく、宝の持ち腐れになってしまっている
- ITを活用して、来店時(もしくは来店前から)に顧客を特定して、顧客に応じた個別対応を行いたい
- AIや機械学習への対応
リアルタイムでのデータ分析、先進的なソリューション開発やデータ活用のための人材育成・確保はどの企業の方も課題に感じていらっしゃるようでした。また、AIについては、顧客価値を高めるために活用したいという期待も高く、これからの活用が急速に進む分野であると感じました。
こうした課題を解決するソリューションの一つとして、インターシステムズからは、新製品 InterSystems IRIS Data Platform をご紹介させていただきました。
InterSystems IRIS は、トランザクション処理と分析を、処理性能を落とすことなく、同時に行うことができるデータプラットフォームです。異なるデータやアプリケーションの連携機能、さらに、BI、自然言語処理機能をもち、機械学習、予測モデルなど広範な分析ニーズもサポートします。
今回のラウンドテーブルから、「データ駆動型ビジネス」の実現と成功のポイントは、データ分析には、目的志向を持つことが何より重要であると感じました。また、トライアル様の事例から、自社内だけではなく、他分野のリソースを持つ組織と連携することで、新しいビジネスやイノベーションが生まれる時代であると感じました。また、AIや機械学習への関心の高さを改めて実感しました。
インターシステムズは、新製品 InterSystems IRIS Data Platform を通じ、多様なシステム、リソースからのデータ活用をサポートし、お客様の「データ駆動型ビジネス」の実現を支援したいと考えます。