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トランザクションと分析を同時に管理

取引量の増加と、市場価格の激しい変動により、金融サービス企業はテクノロジの重大な課題に直面している。

これが特に当てはまるのは、セルサイド企業(証券会社等)です。これらの企業では取引量が膨大になることがあり、すでに大量の注文をさらに多くの小注文に分割して実行する処理が行われています。それと同時に、セルサイド企業は多数の同時分析クエリを実行して、注文状況、リスク管理、監視などの情報を顧客に提供する必要があります。

要求されるパフォーマンスと信頼性のレベルがきわめて高いことも相まって、大規模なマルチワークロード処理の要件を満たすのはこれまで困難でした。問題をさらに複雑にしているのは、取引量は、予想の範囲内で段階的に増加するだけでなく、市場に影響を及ぼす予期しない世界の出来事によっても劇的に上昇することです。

トランザクション管理/分析プラットフォームは、セルサイド企業の技術インフラに不可欠の要素です。このプラットフォームには、高度な信頼性と可用性が求められています。このプラットフォームで障害が発生するか、単にパフォーマンスが低下しただけでも、企業に深刻な影響が及ぶおそれがあります。たとえば、障害の発生後、注文状況を再構築して通常の運用を再開するまでに、何時間も要することがあります。その間、追加取引の処理機能や注文状況の提供機能が損なわれ、経済的な損失が増すことになります。

大規模な両立の必要性

このプラットフォームでは、パフォーマンスや可用性を損なわずに増加と変動性に正しく対処できるよう、トランザクションのワークロード処理と下流のアプリケーションから送られてくる同時分析要求の処理を、大規模に両立させる必要があります。セルサイド企業をはじめとする金融サービス組織は、1秒あたり数百万件のメッセージを処理できなければなりません。それと同時に、数百のシステムから送られてくる、注文状況の報告を求める数千件の分析クエリを他のクエリを処理しながら同時に処理する必要があります。

現在、金融サービス業界ではインメモリデータベースが広く使用されています。その主な理由として、高パフォーマンスのデータ挿入操作と分析ワークロードの処理をサポートできることが挙げられます。しかし、インメモリデータベース単独では、トランザクション管理および分析に理想的なプラットフォームとは言えません。これには次のいくつかの理由があります。

  • トランザクションと分析のワークロードを大規模に同時処理する能力が不足。インメモリデータベースは、マルチワークロード処理を大規模にサポートするようには作られていません。そのため、処理量が増加してある時点に達すると、トランザクション処理と分析クエリの両方でパフォーマンスが低下するか、処理が停止します。
  • 規模の制約 - インメモリデータベースではデータがメインメモリに格納されるため、作業データセットは利用可能なメモリ量によって制限されます。そのため、取引量の急上昇は重大なリスクをもたらし、利用可能なRAMがいっぱいになると新たな注文の処理能力が低下します。
  • 高いコスト - サーバにはメモリのハードウェア上の制限があるため、この制限を超えてインメモリデータベースを拡張するには、追加ノードの購入や調達が必要になります。そのため、通常の運用のほかに予期しない変動に備えた余裕を確保することになり、コストの増大を招きます。
  • システムのダウンタイム - データはインメモリに格納されているため、データベースサーバで障害が発生すると、そのサーバのインメモリ内にあるデータは失われます。

ソリューションを見つける

これらの課題を考慮に入れると、金融サービス組織はトランザクションと分析のワークロードを大規模に同時処理できるソリューションをどのように見つけることができるでしょうか?

その答えは、ハイブリッドトランザクション/分析処理(HTAP)データベースにあります。

従来、オンライントランザクション処理(OLTP)とオンライン分析処理(OLAP)のワークロードは、別個のデータベースによって別々に処理されていました。しかし、データベースを別々に運用すると、複雑さと待ち時間が生じます。というのも、OLTP環境から分析用のOLAP環境へデータを移動する必要があるからです。それが原因となって、新たなデータベースの開発が始まりました。このHTAPデータベースでは、OLTPとOLAPの2つのワークロードを1つの環境で処理できます。その際、トランザクションデータを分析のためにコピーする必要はありません。HTAPデータベースは、さまざまな業界で使用されています。なぜなら、新たな洞察の獲得、新たな収益機会の創出、状況認識の強化、ビジネス全体の俊敏性の向上を組織にもたらすからです。

HTAPデータベースプラットフォームのパフォーマンス

最高のHTAPデータベースプラットフォームは、従来のオペレーショナルデータベースの永続性と信頼性を確保し、インメモリデータベースのパフォーマンスを実現します。HTAPデータベースプラットフォームは、市場が非常に不安定な時期でも信頼性やパフォーマンスを損なわずに、高負荷のトランザクションワークロードとトランザクションデータでの大量の分析クエリを同時に処理できるよう最適化されています。

このプラットフォームを支えるのは、拡張性や信頼性、セキュリティを損なわずにトランザクションと分析を高速処理する、包括的なマルチモデルデータベース管理システム(DBMS)です。このDBMSは、リレーショナル、オブジェクト指向、ドキュメント、キーバリュー、階層、および多次元データオブジェクトを共通の永続的なストレージ層で扱います。

さらに、ミッションクリティカルで高性能なトランザクション管理/分析アプリケーションに最適な一連の独自機能を備えています。たとえば、次のような機能があります。

永続性をもったトランザクションワークロードの高速処理 - 理想的なシナリオは、永続性をもち、かつ、インメモリデータベースと同等以上のトランザクション処理性能を大規模に提供する高性能データベースを備えたデータプラットフォームを見つけることです。

マシンが停止してもデータは失われず、データベースのリカバリや再構築の作業は不要です。スパースストレージ技法に基づく効率的な多次元データモデルを使用することで、データのアクセスと更新が高速化され、使用リソースとディスク容量は削減されます。

分析ワークロードの高速処理 - 完全なSQLサポートをはじめとする多彩な分析機能を備え、既存のSQLベースのアプリケーションを、ほとんどまたはまったく変更せずに使用できるソリューションを探しましょう。このデータベースは効率的な多次元構造でデータを格納するため、従来のリレーショナルデータベースと比べ、SQLアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

大規模なトランザクション/分析ワークロードの同時実行でも高パフォーマンスを維持 - 理想的には、ソリューションは最高レベルの高速処理をトランザクションと分析のワークロードで大規模かつ同時に実現する必要があります。どちらのワークロードタイプでも、パフォーマンスが損なわれてはなりません。注文量が増加し、システム上のトランザクションと分析のワークロードが共に増大しているため、パフォーマンスや可用性を損なわずに、こうしたワークロードに対処する拡張性がデータプラットフォームに求められています。

前向きな見通し

この記事では、多くの金融サービス組織が、さまざまな理由で、トランザクションと分析のワークロードを大規模に同時処理する方法を切実に必要としていることに注目しました。幸い、助けはすぐ手の届くところにあります。

組み込みの耐久性と最高レベルの信頼性を確保しながら、低い総所有コストを実現する、高性能なトランザクション管理/分析アプリケーションに最適な最新のデータプラットフォームによって、トランザクション処理と分析クエリの両方を大規模かつ同時にサポートできます。

 
ティム・フィッツジェラルド(Tim FitzGerald)

インターシステムズ UKの銀行および金融サービス担当セールスマネージャー。銀行および金融サービス業界における30年に及ぶITセールスの豊富な経験をもつ。データおよびリアルタイムトランザクション処理の問題を解決することに情熱を抱き、ITセールスのキャリアにおいて、さまざまなポストを歴任してきた。グローバルな金融サービスポートフォリオに全般において、インターシステムズの高度に拡張可能なデータプラットフォームのビジネスを拡大し、管理することを担う。
 

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