テクノロジ企業が、馬の前に荷車を繋いでしまうことは、非常によくあることです。画期的な新技術を開発すると、それを、顧客が実際に必要なものとして適用しようと試みます。その結果は興味深いものかもしれませんが、顧客にとっては重要なことではありません。本年のインターシステムズグローバルサミットでは、当社製品の先進技術を使い、顧客と組織のためにすぐに価値を創造したという事例を、いくつかのお客様にお話いただきました。そのうち２つについて、ここで、簡単にご紹介します。１つは、精神医療における自然言語処理に焦点を当てたもので、もう１つは、広域サプライチェーンを横断した相互運用性に焦点を当てた小売業の事例です。
ネットスマートテクノロジーズ社は、精神医療、社会サービス、急性期後のコミュニティ向けの電子医療記録（EHR）および関連ソリューションを提供しています。グローバルサミットでは、ネットスマート社は、インターシステムズのテクノロジスタックから自然言語処理（NLP）機能を活用して、精神医療の記録から、自傷や他傷行為のリスクの高い個人の特定を支援する事例をご紹介いただきました。精神医療の記録の非構造化データの量（1人の患者が1万件の経過記録があるのは、稀ではありません）から、医師は、リスクの大きな予兆を見逃すことなく、プロアクティブに行動がきちんとできるよう支援が必要です。
予兆には、救急診療科への来院も含まれる場合があります。救急科では、精神的医学的な理由、逮捕歴、自殺の意思や計画をもった希死念慮、自殺をしようとしたことがあるか、幻覚や妄想、武器を持っているか、あるいは持つことができるか等によって、患者を入院させるか、家に帰すかが決められます。ネットスマート社は、NLP技術を使い、テキストの海からそうした予兆を浮かび上がらせ、行動リスクを評価し問題を未然に防ぐ手法を使って、より効率よくそれらを視覚化しました。
CFAO社は、消費財、自動車、建設機器、医療業界における、多様な国際的な製造業者であり、ディストリビューターであり、かつ小売業者でもあります。アフリカ市場に大きな投資を行い、最適な顧客経験を提供しながら、適正な価格帯で高品質な製品を提供するというゴールを持っています。グローバルサミットでは、CFAO社は、日本をはじめヨーロッパ、アフリカ、離島地域まで広がるサプライチェーンのビジネスオペレーションにおける複雑さを、相互運用性の技術を使って、いかに軽減し効率を上げるか、についてお話いただきました。同社は、この相互運用性の技術をアフリカの小売アウトレットに利用して、顧客経験を最適化しています。バイヤーが他では見つけることのできない事例です。
世界の最も大切なアプリケーションに力を与えている企業として、当社は、顧客が依存することのできる技術を開発していると、強く意識しています。技術自身はソリューションとはならないことを理解していますが、課題を克服する鍵となる、あるいは、企業全体のビジネスの目標達成の梃となりうると考えます。当社のソフトウェア開発哲学は、シンプルでエレガントであるという信念がその中心にあります。技術が注目の中心ではありません。なぜなら、技術はなすべき動作をするに過ぎないからです。これにより、皆様がニーズを発見する自由を与え、現実の世界の課題を解決するソリューションを創造し、そして時として、これは世界を変える事すらあるのです。
Mike Fuller
インターシステムズ、マーケティングディレクタ
インターシステムズのビジネスの多くは、インターシステムズのソフトウェアテクノロジプラットフォームを使った革新的なソフトウェアパートナとのものです。しかし、Fullerは、医療エンドユーザとダイレクトに協力し、インターシステムズの医療ソリューションを支援しています。インターシステムズは、eHealthプログラムにおいて、迅速かつ完全にソリューションを適用するために、マーケティングは、重要なコミュニケーションの役割を果たすべきと考えます。
Fullerは20年のICT業界での経験を経て、インターシステムズの欧州マーケティングディレクタとして2000年に入社。英国イートンを拠点にする。コンピュータに関する広範な知識と経験をもち、常に国際ビジネスに関わり、技術、社会、文化の問題に対する最新の知見を有する。それが、欧州におけるeHealthプログラムの成功を支えている。
