今日の複雑な医療ITの世界では、電子カルテ(EMR)ベンダーに対する期待が非常に高くなっています。医療システムでは、そのプラットフォームに数百万ドルを投じており、その投資に対する大きな代償を求めています。しかし、そこには、EMR ベンダーがこれまで全く注力していなかった大きなギャップがあります。その最たるものが、外来薬局(医薬品小売)とこうした薬局のプログラムです。EMR は、主に医師や看護師を対象としていますが、プラットフォームや異なるケア施設間でのデータ共有の要求がこれまで以上に高まっています。これは、電子的統計、グラフ化、画像化などへの依存度が、継続的に増加し、かつ進化していることによるものです。
ここ数年、薬剤師は、薬の処方ではなく、非常に日常的な業務に注力することが、よく起きています。その間、医師は、患者に最良の治療をいかに提供するかということと同様、医薬品のさまざまな化学反応や効果を学ぶことに非常に多くの時間を費やしています。現在、医療の世界では、ケアの改善のためにより患者に寄りそい、専門性が求められています。
以下は、その一例です。
- 患者の過去の処方薬を包括的に確認
- 薬剤師による処方薬の再調整
- ベッドサイドでの処方セラピーの提供と指導
こうしたプログラムは、ケア全般に大きなインパクトがあると証明しています。即ち、低い再入院率、高い患者満足度、処方ミスの低下などです。以下に私たちが既に確認できたいくつかの例を挙げます。
- 薬局が主導する処方歴と再調整:処方歴の正確性が約 30% から92% 以上に上昇
- 退院時の処方薬をベッドサイドで提供:ベッドサイドで退院時の処方薬を処方した場合、再入院率が33%となり、ベッドサイドで行わなかった場合より低くなった
- 薬剤師の指導をベッドサイドで行い薬を処方:薬剤師によるベッドサイドでの指導と処方は、病院の再入院率で最も大きなインパクトがありました。退院時に指導のあった患者の再入院率は、25%に留まりました(8.04%減少)。
- 退院後の患者へのコンタクト:退院後に電話連絡を受けた患者の再入院率は、76%で、そうでない患者に比べ低い結果でした。
そして、困難は、こうした全ての情報を、薬剤師のチーム、多様なチームメンバーに簡単で集中した方法で、いかに提供できるかという事です。これには、EMR データ、薬剤知識データベース、処方データの広範な監視、その他さまざまな情報源のデータを、賢くに整理する必要があります。チームメンバーが行動が起こせるようにデータを表示できるよう、データ取得専門家、そして情報を整理してまとめる能力が必須です。
私たちは、広く採用されている HL7 標準の拡張である FHIR プロトコルや、CDA(Clinical Document Architecture)、CCD(Continuity of Care Documents)など、既に、非常に優れたいくつかの適用例を見ることができます。
ええ、本当に、略号が多すぎます。医療IT専門語の特徴です。
新しい標準のこれら3つすべては、大きな可能性を持っていますが、医療IT エコシステムにいる私たち全てのプレイヤーのフィードバックと参加が求められています。私たちの究極的なエンドユーザ(患者)に直接的に利益を与えるアプリケーションに継続的に使用できるのであれば、私たちは、医師が必要な革新を加速する、よい過程に立っていると言えるでしょう。
こうして革新的な技術の継続的な適用と使用ができれば、能力と知識の高い実行者(薬剤師や薬剤技術者のような)が、彼らの臨床スキルを患者ケアに、すべてつぎ込むことができるのです。そして私たちは、より優れた運用とより連携された医療システムを創造していきます。
* PharmaPoint のそれぞれのクライアントと合わせて分析された指標に基づく公開されている数値。
Global Summit 2018にご参加でしたら、パートナーパビリオンのPhamaPointをお訪ねください。
著者について
ボディ・ミドルトン
プロダクト運用担当副社長
PharmaPointのビジネス戦略ニーズをサポートし、エグゼクティブリーダーシップと、ソフトウェア開発、サポート、市場投入戦略などを提供。製品開発、運用、ソフトウェア開発、リーダーシップマネジメントなどの戦略分野で、急成長技術ビジネスを20年に渡り先導。大きなスケールでのアジャルパフォーマンスや素晴らしい運用を実現する多くの多様なチームの構築と牽引を行った。ミシシッピ州立大学を優秀な成績で卒業。情報システム分野で経営学修士取得。