新しい医療情報プラットフォームの配備をしたのですね。おめでとうございます!
合併後に単一のソリューションに統合したり、あるいは、これまでのレガシーシステムが EOL(End Of Life)に近づいているのでしょうか。いずれにしろ、こまごました面倒が収まるにつけ、自分自身にこう問いかけるのではないでしょうか。「このレガシーシステムをいつ処分すべきか」
これは重要な質問です。なぜなら、レガシー診療システムは、しばしば、ユーザ側の運用、臨床、コンプライアンスなどの理由で、簡単にアクセス可能であるからです。しかし、レガシーな臨床システムを活用し続けることは、大変お金のかかることです。全て古いシステムを運用し続けるには、インフラストラクチャー、ソフトウェア保守料金、エンドユーザサポートが必要です。エンドユーザが感じる痛みも想像してみてください。並行して運用するプラットフォームが複数ある場合、皆さまの組織の医師たちは、複数の認証を記憶する必要があり、スクリーンからスクリーンへとクリックして変移する必要があります。そして、彼らは患者の1つのビューを得るのに、自分でそれらをつなぎ合わせなければなりません。存在する古いデータを新しいプラットフォームに統合する方が、よりよいソリューションのように思います。でも、それは可能でしょうか?
選択肢は?
最初に、データバックアップとデータアーカイブの違いを見てみましょう。バックアップでは、データのコピーをとり、保管所の中に封じ込めます。そうすると、緊急事態が起こるまで、ほぼアクセス不能と言われます。今日、引退したシステムから単にデータのバックアップをとるだけでは、十分ではありません。診療現場では患者履歴データにオンデマンドでのアクセスを望みます。単なるバックアップではなく、患者サービスの最良の方法は、レガシーデータをアーカイブすることです。ここで重要なことは、データのアーカイブは、通常の業務の一部としてユーザがアクセス可能にするということです。過去の状態を単にしまい込むのではありません。レガシーデータを活かし、使用可能にしておくことです。(バックアップとアーカイブについてその他の重要な違いについては、 こちらをご覧ください)
レガシーデータのアーカイブは、非常に多くの時間と費用がかかることがあります。特に多くのシステムからのデータのアーカイブが必要な場合には、チームには、可能なタイムラインでの確たる長期プロジェクト計画が必要です。さらに、適切でスキルのあるリソース(社内外)を確保し、きちんとプロジェクトを計画通りに実行することです。そのプロジェクトに入りながら、また、ユーザが管理しなければならないユニークなログインの数を減らしたいと思うでしょう。理想的には、可能であればよりシングルサインオンに近い形にしたいはずです。医療システムにはさまざまな機能をもつさまざまなデータアーカイブのやり方があります。では、そうした選択肢のいくつかを見てみましょう。
データアーカイブ機能の概観
レガシー診療データアーカイブシステムの堅牢さには幅があります。スタンドアロンアーカイビングシステムは、その範囲の一番シンプルなサイドにあるものです。古いデータの閲覧はできますが、現在の患者記録に組み込むことはできません。コンプライアンス要求には合致しますが、医師支援という意味でできることは最小です。これより進んだものには、InterSystems HealthShare のような医療情報プラットフォームがもつネイティブなアーカイブ機能を見る事ができます。ここでは、患者の完全な長期ビューを見ることができ、現在のものと一緒に豊富なアーカイブデータを活用して、現在稼働しているシステムから患者データを取り込み継続的に進化させます。こうしたソリューションでは、ユーザは1か所でログインでき、分析や集団健康データとともに、患者履歴および最新の結果の両方を網羅した完全な状況を見る事ができます。
レガシーデータアーカイブソリューションの範囲
単体でのバックアップはある程度ニーズを満たしますが、InterSystems HealthShare のような進んだアーカイブソリューションは、より多くのことができます。多くのクリックやログインなしにより完全な患者履歴を医師に提供できれば、すべての患者に対するケアの品質は改善されます。
では、何を求めるべきか
理想的なアーカイブソリューションは、強力な患者特定管理、高機能な分析、さらに重要な事は、アクション可能な方法で、レガシーデータをリアルタイムデータと統合することなど、医療情報プラットフォームのフル機能を提供します。
こうしたデータが適正に統合されると、SSO や FHIR といったほかの選択肢を使うことができ、医師の既存ワークフローに沿った形で、診療現場のシステムにデータを戻します。そして、こうしたワークフォローがより洗練され要求が変化しても、HealthShare のような堅牢なプラットフォームは、その拡張性から、継続的に運用することが可能です。こうしたプラットフォームは、標準的なアーカイブシステムでは不可能な、新しいデータ型、新しい交換標準、将来のワークフローなどもサポートして拡張することが可能です。
究極的には、より完全でより簡単に過去および現在の全ての患者データへアクセスして、それらを診療の意思決定をする者が活用できれば、新しいデジタル変革をより成功裏に実現することができます。
筆者について
ミッキー・イェーロン(Micky Yalon)、J2インターラクティブ CTO
大規模システムアーキテクチャ、データベース設計、アプリケーション開発、医療・非医療での統合プロジェクトなどの分野で、20年以上の経験をもつ。J2 インターラクティブの CTO として、J2 のすべてのソフトウェア開発およびシステムインプリメンテーションプロジェクトを監督しその責任をもつ。HealthShare コミュニティでは、非常に評価の高いソリューションアーキテクトで、インターシステムズおよびその顧客と協業し、医療情報交換、EMR 相互運用、アカウンタブルケア、分析などの革新的技術戦略の設計と配備を行っている。
J2 インターラクティブについて
J2 インターラクティブは、評価の高い医療ITサービス企業で、アプリケーション開発、相互運用性、分析、医療情報交換、患者エンゲージメント、集団健康管理などの分野で高い専門性をもつ。2001年設立。病院、検査機関、研究センター、HIE 向けのカスタマイズテクノロジーソリューション提供のリーディング企業と評価されている。J2 は、システムの成功と失敗は、支援を求める人々にいかに貢献するかということによるものであるという基本的な考えに根差したアプローチをとっている。詳細はこちらをご覧下さい。
www.j2interactive.com
Twitter @j2_interactive.