1人の患者に1つの統合医療健康記録
1人の患者に1つの記録が理想的ですが、その実現は困難です。患者は移動するため、複数の環境の複数の機関から治療を受ける可能性があります。医療機関はさまざまな電子医療記録 (EMR) システムを使用しているため、その中で患者 ID が異なることはよくあります。医療機関同士が提携または合併すると、複数の ID や情報システム間に存在する差異のため、情報を統合するプロセスが複雑になります。さらに、重複した記録や間違って識別された記録は、単一の情報システム内であっても問題となる場合があります。単純な事務処理ミスだけで、同じ患者に対して2つの別々の不完全な記録が存在することになってしまいます。
HealthShare Patient Indexは、Enterprise Master Patient Index (EMPI) 製品です。患者の ID や基本属性情報の「信頼できる唯一の情報源」を作成するための、簡単に統合できる自動化されたソリューションを実現しています。Patient Index は、InterSystems HealthShare Unified Care Record と連携するために事前構成されており、複数の患者情報源を 1 つの正確な統合医療健康記録にまとめる作業を加速します。Patient Index のユース ケースは以下のとおりです。
- ビジネス ルールに従って大量の記録を自動的にリンクし、医療関連企業内や医療情報ネットワーク全体に、または別のソリューションに組み込んで統合医療健康記録を作成
- リアルタイムで重複記録の作成を認識し、修正アクションを起動
共有医療情報への安全性と正確性の追加
決定論と確率論を使用する高度なマッチング エンジンが Patient Indexの中心にあります。この一連のソフトウェアのアルゴリズムとサービスは、記録照合ツールと、データ セットに基づいてアルゴリズムを調整する自動調整ツールを提供します。
主な機能
データ品質フレームワーク
データ品質フレームワーク (DQF) は、EMPI をさらに迅速かつ正確に作成し、EMPI 自体を保守しやすくする分析ユーティリティです。DQF を使用すると、情報源のシステムから送られたデータがクリーンかどうか判断できます。この知識を利用して、情報源のシステムのマネージャと連携し、データ品質を向上させたり、EMPI に到達する前にデータをクリーニングするためのルーチンを確立したりできます。DQF には、長期にわたるデータ ソースの傾向やその他のインテリジェンスを表示するダッシュボードが用意されています。これにより、潜在的な問題を早期に把握し、不良データが EMPI に入るのを防ぐのが容易になります。
ダッシュボード
Patient Index は、記録の照合精度を最大限に高める、利用状況と詳細情報を表示するダッシュボードを備えています。概要ダッシュボードには、ユーザによるログイン回数やインポートされた患者記録の件数などの情報が表示されます。リンケージの詳細ダッシュボードでは、特定の施設または環境全体を対象に、記録に対するリンク設定の有無の状況についての洞察が得られます。記録サマリー ダッシュボードは、特定期間に行われた記録の追加、更新、結合の回数や傾向など、記録の利用状況を追跡管理します。
Batch Import
Batch Import ユーティリティは、患者データをシステムに一括で読み込む場合に使用します。新たなデータ ソースを組み込んだり、既存のシステムからデータ ソースを移行する場合に役に立ちます。Batch Import には、患者基本データをPatient Index に取り込んだり、患者のレジストリからデータをエクスポートするための API が用意されています。
全記録ビューア
手動による確認と検証をしやすくするため、全記録ビューアでは、すべての情報源からの記録に対して患者の ID と人口統計を単一画面上で効率的に比較/検証できます。
複合記録
Patient Index は、同一人物を参照する記録を自動的に特定し、患者ごとに単一の複合基本情報記録を作成します。データ ソースによってわずかに異なる点がある場合、システムでは設定可能なルールを使用して、最も信頼できる情報源を選択します。同期されていない、または失効したデータは強調表示されるため、手動で確認できます。
ワークフローの統合
Patient Index には、使いやすく、設定可能なワークフローが含まれており、手動による介入が必要な場合を管理したり、患者情報の重要な変更を他のシステムや機関に自動通知したりできます。
記録の整合性と構成エバリュエータ
これらのユーティリティを使用すると、本格稼動開始前や開始後に EMPI の最適な設定と運用を保証できます。ユーティリティはライブ システムで実行され、システムの構成やデータ整合性に関する問題がある場合でも、その診断や修理のためにサービスを中断する必要はありません。
接続のための標準ベースのAPI
HL7 FHIR®、HL7®v2、IHE (PIX, PDQ, PDQm, XCPD)、および Web サービスなどの標準に対する安全で堅牢なサポートが組み込まれているため、Patient Index を企業内の他のアプリケーションと簡単に統合できます。
カスタマイズされたルール
組み込みのルール エンジンによって、カスタマイズされた患者照合やアラートなど、サイト固有のロジックを作成および実装できます。
監査とセキュリティ
役割ベースの安全なポータルが、データおよびユーティリティへのアクセスを管理します。 記録の更新はすべて監査され、患者記録へのリンク付けまたはリンク解除に対する決定もすべて監査されます。
サービスを超えるもの
Patient Indexは、コネクテッド ヘルス ソリューションHealthShareスイートに含まれており、マネージド サービスとして提供できます。Patient Index を HealthShare Unified Care Record、HealthShare Health Insight、HealthShare Provider Directory、または HealthShare Personal Community と組み合わせることで、デジタル変革戦略をさらに推し進めることができます。
カスタマ サポートと教育
Patient Index をお選びいただくと、テクノロジ以上のものが手に入ります。また、インターシステムズの定評あるカスタマ サポートと幅広い教育機会も得ることができます。Patient Index の教育リソースについては、
Learning.InterSystems.comをご覧ください。Patient Index および HealthShare スイートの各製品の詳細については、
InterSystems.com/jp/HealthShareを参照してください。