概要
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界中の企業に甚大な影響を及ぼしています。企業は、変化する需要と供給の要件に対応するために、短期間で運営方法を調整することを余儀なくされました。小売、消費財(CPG)、製造業界に属する多くの企業は、消費者が購入する製品の種類や量の変化に対応し、実際に入手可能な状態にするために、サプライチェーンを迅速に調整する必要がありました。さらに、オンライン販売への大規模なシフトなど、全体的な購買習慣の変化にも対応しなければなりませんでした。
世界各国でパスタ、缶詰、石鹸や消毒液などの需要が急増していることが報道されました。一方、米国ではトイレットペーパーの需要の伸びが845%と急増し、英国では小麦粉の売上が92%増加しました。しかし、大々的に報道された空の棚の写真が示しているように、小売、消費財、製造業界の多くの企業は、サプライチェーンの可視性と柔軟性が欠如しているために、この需要に対して迅速に適応し、規模を拡大することが困難であり、時には不可能でもありました。
このような企業が直面しているサプライチェーンの課題とCOVID-19によって既存の問題が悪化した仕組みについて理解を深めるために、インターシステムズはデータアナリスト企業のVitreous Worldに依頼して、世界中の小売、消費財、製造業界の企業に所属する700人以上のビジネスリーダーを対象とした調査を実施しました。その結果得られた洞察は、これらの企業が「ニューノーマル(新常態)」において日常業務を確実に改善するための指針を示すだけでなく、急速に変化する状況に今後も対応できるようにするために役立ちます。
COVID-19の影響によって明確になった既存のテクノロジの課題
COVID-19のパンデミックによって、近年では最大級の経済的混乱が生じましたが、グローバルサプライチェーンには、以前から課題がありました。パンデミックによる混乱は課題を明確に示しただけであり、世界中の企業は、従来の予想をはるかに上回るスピードで課題に対処するようになりました。小売、消費財、製造業界に属する企業の4分の3以上(76%)は、パンデミックによってテクノロジに関連するサプライチェーンの課題が悪化したと回答しています。最も重要なテクノロジ上の課題として、回答者は、既存のプロセスにおける柔軟性の欠如を挙げました(44%)。この柔軟性の欠如が、発展する状況や変化する需要に適応することを妨げています。
他にも以下のような課題があります。
- ビジネスを支援する分析の実行が困難である(40%)
- 正確かつ包括的な可視性とレポートの欠如(40%)、データの操作と修正が必要な手動のプロセス(40%)
- 上位の課題として、回答者の36%は、データのサイロ化、異種データの統合と正規化の困難さを挙げ、35%は、最新データへのアクセスの欠如を指摘
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