顧客: 薬局ソフトウェア awintaONE®を展開するawinta GmbH社
課題:薬局ソフトウェア awintaONE®のクロスサイト、継続的な開発、容易な展開。
成果: InterSystems IRISを使用することで、コンテナ技術をネイティブにサポートし、わずか数秒でバージョンアップが可能に。 このアプローチにはリリースサイクルの短縮に加え、シンプルで効率的なデプロイメントという利点があります。
インターシステムズのIRISデータプラットフォームは、薬局用ソフトウェアawintaONE®の開発とアップデートを容易に展開するためのインフラを提供しています。
コンテナは、ソフトウェアソリューションの実装と均質な管理のための革新的な選択肢として、アジャイルIT開発環境に革命をもたらしています。 その良い例が、ドイツの薬局ソフトウェアにおけるマーケットリーダーであるawinta社です。 awintaONEソフトウェアの継続的な開発のために、同社はInterSystems®IRISを、ソリューションポートフォリオの一部であるコンテナを活用しています。
コンテナは、ソフトウェア開発者がアプリケーションやサービスをパッケージ化することを可能にします。言い換えれば、実行に不可欠な全ての要素を共通のボックスに入れることを可能にします。 従ってコンテナには、ソリューションの簡単な展開とスムーズな運用に必要な全てが含まれていると言えます。コンテナ化というコンセプトの最大の利点は「ここで動作すれば、どこでも動作する」という単純なフレーズで要約することができます。 さらにこのテクノロジーは、DevOpsアプローチによるソフトウェアの継続的な開発を簡素化し加速させます。 awinta社のプロセスを見れば明らかなように、柔軟性と自動化の大幅な向上につながります。
データベース管理への高い要求
NOVENTIヘルスSEの子会社であるawinta社は、ドイツ医療市場における薬局用ソフトウェアのマーケットリーダーであり、約7,000社の顧客に支持されています。 ビーティッヒハイム・ビッシンゲンに本社を置く同社は、2018年の「ベストITパートナー」部門における協力賞や、Expopharm 2017における2つのPharmacy Favorite賞など、業界トップクラスの賞の受賞常連企業です。
20年以上にわたり、awinta社の経営幹部は、awintaONEソフトウェアを実現するインターシステムズのソリューションに信頼を寄せてきました。 awintaONEソリューションは、e-ヘルス分野のパートナー間のコミュニケーションのために設計されています。 マルチクライアント機能のおかげで、どんなに多くの商圏や支店があっても、管理可能で追加することができます。
実績のあるInterSystems のデータベース管理ソフトウェアを長年使用してきたawinta社は、現在、包括的なInterSystems IRIS®データプラットフォームを使用しています。 NOVENTIのシステム/データベースアーキテクト兼データベース開発部マネージャーであるラルフ・シュピールマン氏は、インターシステムズの技術の利点を次のようにまとめています。「インターシステムズの技術で要件を満たせなかったことは一度もありません。何故なら1つのソースからすべてを得ることができ、追加の技術で負担をかける必要がないからです。」
柔軟性と自動化に全面的に注力
awintaONEソリューションパッケージは、awinta社が提供するソフトウェアの中で最も新しいラインナップの一つです。 この薬局ソフトウェアのアプリケーションロジック全体が、インターシステムズのデータ管理技術で実装されています。 InterSystemsのIRISがコンテナ技術をネイティブにサポートしているため、アプリケーションコード全体をコンテナで提供することが可能になりました。
「その結果、以前よりもはるかに柔軟性が向上しました。このようなコンテナを作成して使用し、別のコンテナが必要になればコンテナを停止して次のコンテナを開始するだけです」とシュピールマン氏は説明します。 「この点で私たちはより汎用的になりました。私たちはDevOpsアプローチのもと、コンテナのおかげでワークフローの自動化を非常に高いレベルで実現しています。 これはコードの作成から完成した結果の納品にまでに及びます。」
在宅勤務での活用で広がるメリット
awintaONEのすべての開発作業は既にコンテナ技術に基づいているため、開発者間の協働を改善することで効率化を実現しています。 結局、コンテナアプローチがなければ、ドイツとルーマニアの5つの異なる都市にいるプログラマーたちの協働は考えられなかったでしょう。 他の方法では、すべての開発者が中央の開発サーバーで作業しなければなりません。
これは特に新型コロナウィルスのパンデミックのような特別な状況下で真に有益であることが証明されました。 「もしパンデミックの最中にシステムを切り替えなければならなかったら問題が起きていたでしょう」とシュピルマン氏は話します。 「Linuxサーバーをすべての開発者に提供することは可能でも、各部門の重複を避けるためにアップデートを同期させ続けることは、awintaの開発を大幅に後退させることになります。」
展開と更新のための強力なツール
効率的な開発プロセスの一貫した基盤を確立するために、awintaはDevOpsアプローチを採用しています。 この方法は、開発者と運用、ユーザーやテスター間のプロセスを改善します。 DevOpsアプローチでは、コンテナがプロセスをサポートし、合理化するのに役立つため、コンテナの一般的なユースケースと言われています。 完全なアプリケーションプログラムの代わりに、小さなプログラム更新を伴う最新のコンテナのみが利用可能になります。 この方法は、より速く俊敏でありながら、段階的なステップでソフトウェア開発を前進させるというDevOpsモデルの要件を満たしています。
開発者は、わずかなコード変更であっても、アプリケーションのモノリシックな全体構造を監視するという必要がありません。 その代わり特定のプログラムやプロセスの最適化に集中することができるのです。 さらにコンテナベースのDevOpsによって、開発者はより迅速にフィードバックを受け取り、チームメンバーは場所に関係なく同期的に関与できることもメリットです。 すべてのプログラミング作業の中核となるのは、インターシステムズの技術が稼動するビルドマシンです。 個々のコード行が収束するGitリポジトリは、ソースコントロールサーバー上にあります。 開発者のローカルコードは、この中央ソース管理サーバーと継続的に比較されます。 自動化されたビルドプロセスによって、様々な開発者によってチェックインされたすべての変更と拡張がピックアップされ、コンテナイメージの新しいバージョンが作成されます。 継続的なイメージの同期化により、開発者は常に最新バージョンのコードで作業できるため、より早く目標に到達できるのです。
最高水準の継続的デリバリー
NOVENTIは現在、awinta社で在庫の検索や価格設定機能のトリガー等の操作に、モノリシックアプリケーションの使用から、マイクロサービスを提供するコンテナクラスタの使用に切り替えるプロジェクトを実施しています。
シュピルマン氏は、日常業務におけるコンテナの利点を次のように説明しています。「アップデートを従来の手順で顧客に展開する場合、サーバーの再起動を含むプロセスは約15分かかります。 また全ての開発者は、現場システムの自動インストール、コンフィギュレーション、アップデートのたびに、わずかな残存リスクがあることを理解しています。 一方コンテナでは、バージョン変更はマウスをクリックするだけで、わずか8秒で完了します。」
従来の構造ではマシンごとに多少の違いはあっても、コンテナは常に同じ動作をします。 その結果、リリースサイクルが短縮され、何千もの薬局に新機能を簡単に導入できるようになり、awinta社の顧客は極めて短い更新時間で済むようになりました。 このダイナミックなプロセス構造の基盤となっているのが、インターシステムズのIRISデータプラットフォームです。
awainta社にとって、コンテナの使用はIT資産の配備を好転させるものであり、電子処方箋やドイツにおける店舗決済のセキュリティ条例からVATの調整やフレームワーク契約まで、商品管理システムの変更を容易にします。 開発者の要件に正確に合わせた相互運用性と、拡張性のあるアーキテクチャのおかげで、新しいアプリケーションやサービスを作成・展開する際に、コンテナの潜在能力をフルに活用することができますす。