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Northwell Health は先ごろ、高リスクの産科患者の医療連携を調査する概念実証プロジェクトにおいて、InterSystems HealthShare® プラットフォームで構築された地域の医療情報交換組織である Healthix と協業しました。このプロジェクトの成功は、Northwell Health ネットワーク全体の戦略的相互運用プラットフォームとしてHealthShareを導入する決定につながりました。Northwell Healthネットワークは、16の病院、6,000床以上、約400の外来医師診療所、所有する3つの高度看護施設、19の提携看護施設で構成されています。
MD、MS、および Northwell Health の主任情報アーキテクトであるヴィッシュ・アナントラマン氏は、次のように指摘しています。「分娩環境全体にわたる患者の追跡と医療連携の自動化は、個人や集団の高品質かつ効率的な管理に欠かせません。私たちにとって、システム全体を通じてEHRの枠を越えた相互運用性を実現することは戦略目標であり、プロセスの自動化はケアの改善や連携を推進する主要な原動力となります。」
産科での医療連携改善を阻む障害を打破する
(妊娠性糖尿病などを患っている)高リスクの妊婦は、さまざまな電子医療記録(EHR)システムを使用し、一次診療医から成人や小児科の専門医まで、複数の施設で複数の臨床医による診療を受ける可能性があります。これらのシステム間の相互運用性は限られている場合が多く、それは専門用語の違いや、各システムが収集する離散データ要素の多様性が原因です。
妊婦が出産のために病院に到着した時点で、入院時の担当医は患者が病状に対して受けてきたすべての処置を認識していない場合があります。出産後、通院にて母子の適切な経過観察をする上で、患者の分娩に関する情報は重要です。こうした患者の医療連携は、時間を要する手動のプロセスとなる場合があります。
産科情報の共有や医療連携を改善するため、Northwell Health は、3つの異なる外来患者用EHRと2つの異なる入院患者用EHR、および独自の超音波報告システムを備えた2ヶ所の出産前画像診断センターを利用する、100を超える医師をつなぐ必要がありました。当初の課題は、外来患者用EHRの標準アウトバウンド統合機能に、通常は産科に使用するすべての専門的データ要素が含まれていないことと、(IHE、HL7、CCDを含む)相互運用性の業界標準が、産科のユースケースに特化したすべての要件に対応していないことでした。
開始時、Northwell Health はこれらのシステムを統合して相互運用性を実現する目標を掲げました。相互運用性には以下が含まれます。
- IHE、CCD、HL7などの標準を可能な限り使用する。
- システム間で離散データ要素を交換して、臨床上の意思決定支援、分析、アラート通知ができるようにする。
- 医師の話を伝えて、ケアを円滑に移行できるようにする。
- EHR 間で内容と用語のマッピングを標準化する(「意味論的相互運用性」)。
- データを自動で対象のEHRに「プッシュ送信」し、既存のワークフロー内で必要な時に必要な場所で臨床医が情報を利用できるようにする。
- 妊娠時の初回訪問、Healthix とつながっている Northwell Health 以外の病院への救急来院、超音波のオーダーと結果を伴う12週目の産科医訪問、高リスク専門医への紹介、分娩時の来院、出産後の外来通院など、主要な産科ワークフローに対処する。
Northwell Health は、外来患者用EHRと入院患者用分娩システムの間で、標準化された産科患者ケアに必要な150を超える離散データ要素を正確に送信して共有する HealthShare を利用して、これらの目標を達成しました。HealthShare はさらに、Northwell Health が医師の話を非構造化テキストで共有して、ケアを円滑に移行できるようにしました。
HealthShareで、高リスク患者グループの管理がさらに容易に
現在では、各患者に関する最新の完全な情報をケアコミュニティ全体で共有しており、安全性と患者の満足度が向上しました。高リスクの妊婦が救急処置室に入ると、システムが自動で患者の産科医と一次診療医に通知する一方で、救急処置室の医師が集約された患者の医療履歴にすぐにアクセスできるようにします。検査結果で母親または子の問題が示されると、入院時の担当医は分娩用EHR 上にインジケータの形でアラートを受け取ります。
「私たちは今や、患者が不在でも、ケアのギャップや臨床上の変更について自動で検知し、医師に通知するツールを得ました」と、MD で、Northwell Health の最高医療情報責任者を務めるマイケル・オッペンハイム氏は述べています。「医師は積極的に介入して、ケアを受ける人々の健康や幸福を劇的に改善できるようになります。」